旅行1日目(〜ヒトリノ朝)

という訳でタクシーを降りて空港内に入ると「4:57」
ちょっと早めに着いたので、みんなが来るまでに集合場所の確認。
そしてケータイのメアドを知ってる人へメール。
集合場所に近いとこの喫煙所で、苦い煙草を噛み締めながら喫煙所から見える駐車場をじっと見つめ黄昏る。
その駐車場の標識にはVIP専用駐車場。
どんな上流階級の人達が使うのかが気になってたが、こんな時間に使う人は結局一人もいなかった。
朝焼けの羽田の空は何かむなしい。
早くみんな来ないかな。ちょっぴり淋しい自分を癒してくれる、朱色の雲達。


「あっ、あの雲はきっとキモクマさんや!」
「そしたら、あっちの雲はてへてへさんやろな・・・。」
「こっちの雲は関西アベフさんや・・・。って今は東戸塚やけどな・・・。」


その朱色の雲達はなんだか楽しそうで苦しそうで、なんとも言えなかった。
気づけば、喫煙所にはどこかの家族がいた。
お父さんが、はしゃぐ息子娘を叱っていた。


「おい!もう少し落ち着きなさい!」
「キャッキャッ!だってこれから海があるとこ行くんでしょー!キャッキャッ!」


この家族は沖縄にでも行くのだろうか、なんだか楽しそうである。
そうしてる間に煙草が短くなっていたので、灰皿へとお別れする。
タクシーの運ちゃんに貰ったコーヒーをまた一口飲んで、トイレに行く。
戻って来るともう喫煙所には誰もいなくなっていた。


「また・・・ひとりぼっち・・・か。」


そう小声で呟いていたかも知れない。
もう一度、煙草にこの孤独さを紛らわして貰う事にした。
今度はカウンターの方が騒がしくなってきた。
どうやら空港勤務の方々が次々とどこからともなくやってきた。


「こんな時間からもう仕事なのか・・・。」


どんな会話をしているのだろう。
笑顔で時には笑い声まで聞こえそうなほど、みんな明るかった。
そうしている間に向こうの方で無名大生の姿が見えた。
今日は終了!!